温泉街の古い食堂が、温かいフレンチレストランへ生まれ変わりました。
先日、温泉街の一角にあった古い食堂を、ひとつのフレンチレストランへと改装させていただきました。
お店を営むのは、人柄のとても良い30代のご夫婦。
ご主人は大阪で本格的にフレンチを学び、奥さまはドルチェや焼き菓子の修行を積んできたという本格派。
それでいて肩肘張らずに楽しめる、どこか“あたたかい空気”をまとったお店です。
このご夫婦とのご縁は、大工さんからの紹介がきっかけ。
その大工さんの甥っ子さんが、このシェフご夫婦だったという不思議で嬉しいつながりから、この計画は始まりました。
地元の食材を使ったカジュアルフレンチ
料理には、地元で採れる野菜やジビエなど、地域ならではの食材をたっぷり使用。
驚くほど丁寧に仕上げられた肉料理や、クオリティの高い前菜・サラダは「ここで、この価格で?」と思うほど。
“フレンチ居酒屋”のような気軽さもありながら、一皿一皿からシェフの技術と想いが伝わってきます。
気取らずに入れて、でも特別感はちゃんとある。
そんなバランスが、この店の魅力です。
建築側としてのこだわり
改装にあたり、設計者として意識したのは「触れた瞬間に感じる温度」と「記憶に残る入口」。
- 一番手に触れる取手は、金物の質感にこだわった特注品
- 店舗入口の建具には、本物の木を使い“嘘のない素材感”を表現
- “洞窟をくぐり抜けた先に世界が開く”ようなアプローチ設計
外から見ると静かな温泉街の一角。
でも扉を開けば、ふわりと広がるフレンチの香りと、柔らかな灯りと、温かい会話。
そんな空気になるよう意識してつくりました。
行けば、きっとわかる“人柄の味”
この店の一番の魅力は、オーナー夫妻の人柄です。
厨房から聞こえる笑い声、さりげない気配り、そして帰る時に感じる心地よさ。
料理は記憶に残るけれど、あの人たちの優しさは、もっと残る。
そんな場所になっています。
もし興味が湧いたなら、ふらっと立ち寄ってみてください。
肩の力を抜いて楽しめる、温泉街の小さなフレンチ。
“美味しい”だけじゃなく、“温かい”が待っています。


